顔面骨の加齢性変化と顔の老化②
~顎の変化が最も顔貌に影響を及ぼす~

2)顎の発達と老化が最も顔貌に影響を及ぼす

顔の形に最も影響を及ぼすのは顎(主に下顎骨)の発達と老化ですまずは、下顎骨の加齢性変化から見ていきましょう。図2は下顎骨を上からみたイメージです。顎関節突起(顎関節)を先頭にして、赤い矢印方向へ成長するため、顎は前後方向へ伸びます。

また、下顎骨を横から見ると、顎の角度(下顎角の角度)も年齢と共に変化していきます。乳児期から成人に成長するに従い、下顎角は鋭角に変化し、顎は縦方向へ成長します。その後、加齢と共に顎の関節を形成する顎関節突起や筋突起が萎縮します。また、歯の消失や衰退により、歯槽骨が吸収され、オトガイ孔の位置が歯槽頂に移動してきます。これらを図で表現すると、図3のようになります。

上顎骨に関しても加齢と共に歯槽骨が吸収され、上顎洞底の骨層が薄くなるため、前方への突出が小さくなり、垂直方向へ短縮する傾向に変化します。

ヒトは生まれてから成人(20歳)するまでの過程で、身長や臓器が大きく成長していきますが、その成長の度合いをグラフで示したものがScammon(スキャモン)の発育曲線です(図4)。主に、上顎は神経系型に、下顎は一般型に準じて成長していきます

※文章中の図はイラスト顎顔面解剖学(著:松村譲兒、島田和幸)を参照しました。

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