pHと人体(肌)の関係

■pHとは

pHとはpotential Hydrogenの略で水素イオン指数のことです。pHの値は0から14まであって、7が中性であり、7以下の数値になるほど酸性が強く、7より大きくなるほどアルカリ性が強くなります。水道水の場合は、pH5.8~8.6に調整されています(図1)。

■身の回りにあるpH

■pHと人体の関わり

人間の身体は、肺と腎臓の働きにより、pH値が平均7.35~7.45を保つようになっています。部位別にみると、例えば、胃内は強酸性(pH1~3)、膣粘膜は酸性(pH3.5~4.5)、皮膚は弱酸性(4.5~6.0)、母乳は弱アルカリ性(pH6.8〜7.4)、唾液は弱アルカリ性(pH7.2~7.4)、血液は弱アルカリ性(pH7.4)です。

■健康な皮膚とpH

正確には、皮膚のpHは肌の表面にある皮脂膜のpHを指しています。皮脂膜は脂肪酸と汗の混ざったものなので、脂肪酸の酸性により、皮脂膜のpHは酸性になります。その為、皮膚のpHは4.5〜6.0の弱酸性を保っています。すなわち、皮脂(脂肪酸)の分泌が少ない赤ちゃんや高齢者は、皮膚のpHが高くなり、中性に近づきます。

また、脂っぽい肌(皮脂が過剰な肌)は、酸性側(pH4.5)に近づき、乾燥肌(皮脂の分泌が乏しい肌)はアルカリ側(pH6.0)に近づきます。

健康な肌は、アルカリ性である石鹸(pH10~11)を使用し、一時的に肌のpHがアルカリに傾いても、短時間で弱酸性に戻す働きがあります。

■pHと食品

普段の食生活における酸性・アルカリ性食品とは、食品そのものが酸性・アルカリ性ということではなく、体内に摂取された後に酸性とアルカリ性のどちらを示すかを基準としています。例えば、梅干しは食べた時は酸味を感じ、それ自体は酸性ですが、栄養学的にはアルカリ性食品になります。また、レモンも同様に、レモンそのものは酸性ですが、体内で消化・吸収された際にはアルカリ性を示すので分類としてはアルカリ性食品になるのです。

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