不健康な人が辿り着くのは、足が腐る人生である Part. 1
〜老衰の死亡率が第3位に上昇〜

時代に伴う死因の変化

人間は必ずいつかは亡くなりますが、死因の変化は社会や文明のリアルを反映しています。近年は悪性新生物が39年間、連続で1位ですが、1980年(昭和55年)までは脳血管疾患が30年連続で死因順位の1位でした。さらに昔は、結核が1位であり、、1899年から2019年までの118年間(1944~1946年の3年間は除く)の死因順位1位の内訳は、結核39年、悪性新生物39年、脳血管疾患31年、肺炎9年となっています(図1)。

また、戦前は「肺炎」や「結核」を死因とする死者が圧倒的に多いです。これらは、公衆衛生の整備が整っていなかったこと、医療技術がそれほど進歩していなかったこと、健康管理に関する世間の意識が低かったことなどが原因として挙げられます。

■現在の死因の内訳

2018年(平成30年)の死亡数を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物で 37 万 3547 人、第2位は心疾患(高血圧性を除く)で 20 万 8210 人、第3位は老衰で 10 万 9606 人、第4位は脳血管疾患で 10 万 8165 人となっています(図2)。

悪性新生物が全死亡者に占める割合は27.4%であり、全死亡者のおよそ 3.6 人に1人は悪性新生物で死亡していることになります(図2)。



■老衰が死因第3位へ増加

近年、特定の死因で説明できない「老衰」が増加しています。「老衰」とは厚生労働省の規定では「高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみ用いる」とあります。これらは、高齢化社会の急激な進行と、医学の発展による平均寿命の延長が原因と考えられます。

実は戦前の方が「老衰」の死亡率は高かった

ただし、実は、「老衰」の死亡率は現在よりも戦前の方が高かったのです。これは、そもそも平均寿命が短かったため、「悪性新生物」や「心疾患」を発症し、直接的な死因として亡くなるより前に、老衰で亡くなってしまう人が多かったことが原因の一つです。また、当時の医療技術では具体的の死因の判断ができず、老衰とされた事例もあったと思われます(図3)。



■性・年齢階級別にみた主な死因の構成割合

性・年齢(5 歳階級)別に主な死因の構成割合をみると、5〜9歳では悪性新生物および不慮の事故、10~14 歳では悪性新生物および自殺が男女とも多く、男は15~34歳で自殺および不慮の事故、35~44 歳で自殺および悪性新生物、45 歳以降では悪性新生物および心疾患(高血圧性を除く)が多く、女は15~24歳で自殺および不慮の事故、25~54歳で悪性新生物および自殺が多くなっています。そして、年齢が高くなるにしたがって、悪性新生物の占める割合が高くなり、男では65~69歳、女では55~59歳がピークとなっています。その後は、悪性新生物の割合は減少し、かわりに「老衰」と「心疾患」の死亡率が増加してきます。なお、1歳未満の乳児死亡数の死因別構成割合では、男女とも「先天奇形,変形及び染色体異常」 の占める割合が多くなっています(図4)。


■Part. 1のまとめ

  • 死因の変化は社会や文明のリアルを反映している。
  • 死因順位別にみると、36年間、第1位は悪性新生物(がん)である。
  • 老衰が全死亡率の第3位に上昇した。
  • 年齢別の死因では、高齢者ほど、「老衰」と「心疾患」の割合が高い。

Part. 2

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