美容医療と保険医療の概念の違い

  • 美容医療では、医師患者相互が認め合った症状そのものが診断となる。
  • 我々にとって美容医療の3つの条件
    1. 現在の保健医療では病名がつかない。
    2. 医師と患者がお互いに認めた症状である。
    3. 改善することで患者が幸福になる。

ある人が身体的不具合を訴えて医者に診てもらうのが医療行為であり、保健診療の大前提はその患者に“病名”がつくことです。病名とは人間の正常な恒常性から逸脱した状態に名付けられるものであり、日本の大部分の基幹病院では、その病名に対する定額支払い制度が広く適応されています。その制度は診断群分類包括評価(Diagnosis Procedure Combination:DPC)と呼ばれ、2003年4月より全国82の特定機能病院等において開始されました。2018年1月の段階で全国の約89万床の一般病床のうち、72.7万床(81.7%)はDPCに参加している病院が占めています。すなわち、保険診療では、病名に対してガイドラインを遵守した治療を提供しています。しかし、実際に現場で働いていると、病名がついてから治療を施す時は既に“後手”に回っており、治療に難渋することが多いです。つまり、病気とは水面下で進行し、それらが表面化する時はすでの多くの不具合が生じている為、必要な医療資源(人、もの、金、時間)も増え、結果的に国の財政を圧迫しています。

これを美容医療に置き換えてみると、本人なりに何らかの不具合を感じて医師に相談するまでは一緒ですが、“客観的な指標に基づく診断“が得られにくいという事実があり、それが美容医療のくくりを曖昧にしている最大の原因です。言い換えると、保険診療に比べ患者のこだわり(主観)が占める割合ははるかに大きく、医師患者相互が認め合った症状そのものが診断となります。医療では、逸脱した状態を正常化することが原点ですが、美容医療において難しい点は、その”正常“は概念的な意味合いが強く客観的な指標(例えば血液検査のデータやレントゲン写真など)での裏付けが難しい点です。そしてこの”正常“は、その人の性格、時代のトレンド、地域制、国民性など、人体の恒常性以外の多種多様なファクターが複雑に絡み合っています。

我々にとって美容医療とは、①現在の保健医療では病名がつかず、②医師と患者がお互いに認めた症状であり、③改善することで患者が幸福になる、といった条件を満たした医療です。また単に整容性(見た目)の変化だけでなく、内科的あるいは精神的な改善も美容医療に分類されます。

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